学校日記

チーム守中コラム〜昆虫

公開日
2022/04/18
更新日
2022/04/18

お知らせ

1年生は,現在,理科で野草の観察をしています。この春,様々な野草との出会いがありますが,同時に昆虫の動きも活発になり,いろいろな昆虫を目にすることができます。昆虫は現在約95万種と多く,全動物の約4分の3を占めています。さらに毎年約3000種の新種が発見され,命名されています。TV番組の企画で,新種発見!というものを観た人もいると思います。日本にもたくさんの昆虫がいますが,「きれい」というカテゴリーで紹介すると,タマムシとハンミョウが挙げられます。二種ともにカブトムシと同じ甲虫で,七色の光沢をもつ体が特徴的です。今回は,生態的にも面白いハンミョウについて紹介します。

 ハンミョウは甲虫の中でも飛ぶことが得意な昆虫です。日本全国に生息しますが,この近辺には,一回り小さく光沢感があまりないニワハンミョウが多く見られます。それでも十分美しい体です。庭や土手,山などの土が露出したところにいます。「あれ?何かが飛んだ?」と目の錯覚を疑うときは,ハンミョウが飛んでいるかもしれません。山道で,人が歩いていると,その先を軽やかに飛んでいくので,「道教え」,「道しるべ」とも言われています。

 ハンミョウは,大きな顎をもち,小さな昆虫を捕食します。ハンミョウが面白いのは,幼虫の生態。雌は硬い土のところに卵を産み,幼虫はその場所に垂直に小さな穴を掘って頭が蓋になるようにして,ひたすら自分の頭付近を小さな昆虫が通るのをじっとしています。ひたすら,(笑)です。幼虫は,やはり大きな顎を持ち,小さな昆虫をひたすら待ち続けるのです。穴付近を通った場合でも,一瞬,びっくり箱のように体をを穴から出して顎で昆虫を捕獲し,穴に引きずり込みます。ですから,穴付近に獲物が来ないとそのまま死んでしまいます。幼虫には背中にストッパーのような突起があり,大きな獲物を捕まえた時,その獲物に体を持って行かれないように耐えるのです。このように,幼虫と成虫では生活行動が違う場合が多いのも,昆虫を調べる楽しみの一つでもあります。トンボもそうです。

 ちなみにハンミョウの幼虫の穴に松の葉を入れると,獲物と勘違いして食いついてきます。ここで勢いよく松の葉を抜いてはいけません。悲しいことに,その勢いで幼虫の頭だけが取れて出てきます。可哀想なのでやめてください。ハンミョウ,タマムシの画像を調べてみてください。きれいな姿に惚れ惚れします。