学校日記

9月5日茨城新聞の「詩壇」に掲載されました

公開日
2021/09/08
更新日
2021/09/08

お知らせ

 夏休み前に,1年生が授業で取り組んだ「詩」の学習。各学級いくつかの代表作を茨城新聞に国語科の先生が送ってくれていました。そして,9月5日(日)茨城新聞の「詩壇」に掲載していただきました。7名の作品です。紹介します。

1 おーい

 おーい 
 太陽が月に呼びかける
 真っ暗闇だった世界が
 純白の光に包まれる

 【評】声と光の重なりがとてもいい。月が輝きだす様子をうまく捉えて
   います。


2 手
  
 さよならと手をふって
 悲しむ人の手をそっととり
 よろしくと握手をして
 くやしくて握りしめる 
 手は心

 【評】手がもっている多くの役割や表情に着目していて,読み手も考え
   させられます。体と心は決して別々ではありません。心としての
   体(手)でもあつでしょう。


3 係活動の紙

 かべにかざられた白い紙
 紙には写真がはられている
 笑っている顔
 まじめな顔
 向かい側には春の空
 毎日変わる空の顔
 これからも見続ける私達

 【評】係活動の紙が張られている場所が目に浮かんできます。
   「春の空」がとてもいい。落ち着いていて温かな雰囲気が
   満ちています
 
4 風景

 木が風にゆれる音
 高低で遊ぶ音
 みんなが笑顔で歌っている
 でも みんな大人になっていく
 本のページを開くと
 本をゆらす風の音が遠くなる
 みんな心の中で一人で歌っている

 【評】心の動きがとてもこまやかで見えないものを見る力を感じます。
   遠くの風の音が効果的です。大人になるとは一人で歌うことが
   できることです。このことに気付いた直感が素晴らしい。

5 文ぼう具

 シャープペンで書き
 消しゴムで消す
 折れた芯が
 パスタマシンのように出る
 燃えて灰が出るように
 消したカスがあふれ出る
 書いては消し
 書いては消しの攻防だ
 激しく 激しく

 【評】夢中で文字を書きつける様子が伝わってきます。力強さは単に
   文字を書くことではなく,真剣に物事を考え言葉にしていく,
   その態度の強さでもあります。思い切った比喩が生き生きと
   しています。

6 私の音
 
 なりやまない 夜の町にひびく音
 私はひとり ちいさく笑う
 なりやまない 雨音にかこまれ
 私は今日も歩き続ける

 【評】「私」を大切にしながら生きていこうとする気持ちが,
   言葉少なに静かに語られています。「私の音」はどんな音なのか。
   きっと澄んだきれいな音でしょう。

7 鳥

 ダイヤモンドのような歌声

 【評】題名から詩が始まっています。「鳥」という柔らかな手触りと
  「ダイヤモンド」という対比が効果的です。


【総評】作品全体を読んで感じたのは,詩の扉が開いているなという
   ことです。子どもたちの作品はどうしても「学校」の中の画一的な
   テーマに終始する傾向にありますが,ここではそうではなく,
   個人が詩を切り拓いています。久しぶりで中学生の新鮮な息遣いに
   触れました。これからを楽しみにしています。