学校日記

チーム守中コラム〜生命の起源

公開日
2022/06/22
更新日
2022/06/22

生徒たちの活動

私たちの身近にある素朴な疑問を探してみると,宇宙の大きさ,生命の起源など,想像膨らむものが意外と多いと思います。意外と知られていないのが,深海。6000メートル以上も深い海の底にも生物は存在し,人間はその全てをまだ知らない状態です。前回,水の話を載せましたが,その水のおかげで生まれた,「生命」の起源について書いてみます。

 生命の起源については,多くの研究,諸説が存在していますが,有名なのは,ソビエト連邦(現ロシア)のオパーリンが提唱した「コアセルベート」です。オパーリンは1936年に天文学・地学・生化学の研究成果を取り入れ,『生命の起源』を出版しました。

 オパーリンの説によると,地球上で太陽光など,様々な刺激や反応によって,有機物が生成され,それがコロイド粒子のような,球体の塊になった。その球体をコアセルベートと呼び,それが幾つかの段階を経て生命へと発展したとのことです。当時としては,画期的な考え方でした。その球体のものが,いかに生物になったのかという仮説がいくつも出されました。生物の基本は,個体維持のためのエネルギーの確保や子孫の生成など,コアセルベートからはかけ離れた機能をもつからです。

 現在の説では,無生物から細胞に至る前にはもっと多くの段階を通過してきたと考えられていますが,いわゆる地球の歴史,生命に歴史は,実際に見た人や記録が残っていることは当然無いので,様々な基礎研究が重なって仮説が出されています。神秘的な「命」。ゾウリムシなどの単細胞生物の観察をしていると,「コアセルベート」説は,ああ,なるほど,と思うかもしれません。生物について,考えを巡らせてみてください。