学校日記

【つぶやく・ろうち】エースをねらえ!

公開日
2023/06/17
更新日
2023/06/17

お知らせ

6月17日は、漫画家である山本 鈴美香 さんの誕生日だそうです。
山本さんの代表作といえば「エースをねらえ!」です。
「エースをねらえ!」は、1970年代に『週刊マーガレット』に連載されたマンガで、高校生の岡ひろみが宗方仁コーチのもと、テニスを通して成長していく物語で、テニスブームを巻き起こすとともに、アニメ化、テレビドラマ化もされました。

そんな、「エースをねらえ!」の宗方仁コーチは、もともとは将来を嘱望されたテニスプレイヤーでしたが、22歳の時、練習中に倒れたことで病気が発覚し、再起不能を宣言されたそうです。
そして、コーチとして世界に通用する一流プレイヤーの育成を目指し、テニスの名門校のコーチに就任し、そこで主人公である岡ひろみに出会います。
厳しい指導に耐え、ひろみにプレイヤーとしての自覚や自信が育つうちに、ひろみと宗方コーチの間には絶対的な信頼関係が生まれ、師弟愛は深まっていくのです。

そんな宗方仁コーチには、以下の名言があるそうです。

「コートではだれでもひとりだ。いままでの練習だけが、おまえをささえる」
大抜擢でレギュラーに選ばれたものの、ほかのメンバーとの力の差や冷たい視線を痛いほど感じ、前を向けないひろみた。
地区大会の決勝では、お蝶夫人のストレート勝ちを目にしてますます自信喪失してしまい、試合に出たくないと宗方コーチに訴えた時の答えが、このセリフだそうです。
これはテニスのシーンでのセリフではありますが、「コート」の部分を「勝負の場」に変換すると、受験に向かう受験生など、人を支え、鼓舞する言葉としてもぐっと胸にくるのではないでしょうか。

「ここまでだと思ったとき、もう1歩ねばれ!」
初めは自分をレギュラーに抜擢し、しごく宗方コーチを怖れ、恨んだひろみでしたが、上達とともにテニスへの愛が深まり、コーチへの信頼感や師として慕う気持ちも大きくなっていき、宗方コーチとひろみ、師弟の絆はより強くなり、宗方コーチのひとつひとつの言葉が彼女の心も成長させていきました。
このセリフは、全日本ジュニア1次メンバーに選ばれたひろみが、あと1回勝てば2次メンバーに残れるという試合で、第1セットを取ったものの同じプレイスタイルの相手とどう戦えばいいか、宗方コーチに聞いたときの答えだそうです。
この言葉を信じ、激闘を制したひろみを宗方コーチは優しい微笑みで迎える印象的な場面につながる名言です・・・。

「岡、エースをねらえ!」
渡米のため、飛行機に乗り込もうとするひろみを含めた選手一行。
あとから行くという宗方コーチの言葉を信じてタラップを進むひろみの耳に、不意に聞こえた宗方コーチの言葉が、この言葉、「岡、エースをねらえ!」でした。
そして、この言葉は、ちょうどその時、病院のベッドで眠るように息を引き取った宗方コーチの絶筆でもありました。
宗方コーチのすべてを超越した魂のひと言ではないでしょうか。

黒内っ子一人一人が、それぞれのエースをねらってほしい、そんな気持ちに改めてさせられた山本 鈴美香 さんの誕生日でした。